• 宮城県 気仙沼市様

  • 防災行政無線システム (災害情報システム)

  • ワンオペレーションで多様な情報メディアに災害情報を配信

気仙沼市魚市場屋上駐車場に設置された防災情報伝達用デジタルサイネージ

  • 導入の背景


    宮城県 気仙沼市様は宮城県北東部の太平洋岸に位置し、造船や水産加工業で発展する気仙沼港を有しています。市の大半はリアス式海外特有の地形であり、沿岸部のわずかな平地に住宅が集中しています。
    2011年3月11日に発生した東日本大震災により、甚大な被害を受けました。市全域が停電し、情報通信手段の多くが使用できなくなり、さらに津波の襲来によって移動もままならない状況の中、市内の被災状況や市民の避難状況を把握することは極めて困難でした。災害直後は「災害情報」が命を守るための重要なライフラインとなるだけでなく、被害を最小限に止めるためにも、的確な災害情報の収集が重要であり、市民が避難時間をより長く確保できるよう、災害情報をより迅速かつ確実に市民に伝達することが求められます。

    また、高齢者や障害者といった対象者の属性、地形や土地の利用状況、運転中、就寝中など、情報の受け手のさまざまな状況を想定し、災害の種類、発生直後や復旧期にいたるまでの状況変化に対応しなければなりません。そのため、従来の防災行政無線のみならず、多用な情報メディアを通して災害情報を伝えることが課題となっていました。

  • 宮城県 気仙沼市様

  • 気仙沼市役所

   
  • 概要・特長


    宮城県 気仙沼市様はこのほど、防災情報伝達制御システムを導入されました。既存の防災行政無線、携帯端末の緊急速報メール、ラジオのFM放送やテレビのデータ放送、Facebook、Twitter、デジタルサイネージなどの多様な情報伝達メディアに対し、一回の操作による情報配信が実現しています。
    また全国瞬時警報システム(J-ALERT)と連携し、自動配信による情報提供も可能となりました。
    さらに、システムの中枢部分をデータセンタに設置することで、万が一、市役所が被災して周辺の通信回線に障害が発生しても、場所を移動して、モバイル端末から情報を配信することができる仕組みになっています。

  • 緊急時に市内全域の一斉またはエリアごとに情報を伝達する同報系システムをコントロールする制御卓

  • 同報系システムの親局・中継局・屋外子局の状態表示を行う地図表示板

  • 気象情報や津波災害に備えた避難状況の監視を目的として市内2ヶ所に設置された監視カメラの映像をリアルタイムに確認

  • 全国瞬時警報システム(J-ALERT)機器

  • 国民保護情報・緊急地震速報・津波警報などの警報時にはJ-ALERTが自動的に起動して緊急放送を行う

  • 機器ラック外観

   
  • また、日頃から市民に身近な情報を配信していく取り組みとして、東日本大震災時に多くの市民が避難した気仙沼市魚市場屋上駐車場や、気仙沼市立病院ロビーに防災情報伝達用のデジタルサイネージを設置し、潮位情報をリアルタイムで表示したり、天気予報、医療機関からのお知らせなどを配信できるようになりました。

  • 気仙沼市魚市場

  • 震災時には津波が到達しなかったため多くの市民が避難した気仙沼市魚市場屋上駐車場

  • 各設備には太陽光発電装置を設置

  • 屋上に設置された防災情報伝達用デジタルサイネージと監視カメラ

  • 約3キロまで届く長距離アレイスピーカー緊急情報を広範囲に伝達

  • 魚市場に設置された太陽光発電装置

   
  • 魚市場に設置されたリチウムイオン蓄電システム(三洋電機)

  • ロビーに防災情報伝達用デジタルサイネージがある気仙沼市立病院

  • 安波山の山頂に監視カメラと防災情報伝達用デジタルサイネージ用の中継アンテナを設置

  • 停電時にもシステムの稼働が可能となるように太陽光発電装置を完備

  • 停電時のシステム稼働をバックアップする蓄電池

   
  • ご担当者の声


    今回導入したシステムは、平成24年度総務省消防庁「住民への災害情報伝達の多様化実証実験」において整備され、東日本大震災と同等の災害を想定した実証実験を通してシステムの有効性を検証しています。
    太陽光発電による大規模かつ長期的の停電に備えた電源対策、通信障害に備えた配信回線の冗長化や自営無線経由による情報配信を実際に行い、耐災害性の高さを確認するとともに、災害発生から復旧期に至るさまざまな状況変化に対応し、安全な環境から簡便な操作で情報配信をすることが可能となっています。

    今後は、市民に親しまれる情報メディアとして、日常から市民へ身近な情報を配信していく予定です。
    例えば、気仙沼魚市場屋上駐車場、気仙沼市立病院ロビーに設置したデジタルサイネージでは、地盤沈下による浸水を心配している沿岸部の方々に向けて、潮位情報をリアルタイムで表示したり、天気予報、医療機関からのお知らせなども配信していきます。
    ICTツールを持っていない方でも「あの場所へ行けば情報が得られる」という意識づけや、災害・防災情報に関心を持ってもらえるような運用を心がけていきたいと考えています。

    そして、システムを整備したから終わりではなく、ここからがスタートだと考えています。日々、進歩を続ける通信・放送サービスや情報メディアの状況を踏まえながら、いかにして市民の皆さまに情報をお届けできるかを真剣に考えていかなければなりません。
    特に、情報弱者になりやすい高齢者や障害者などの存在を忘れず、自治体職員である私たち自身がアンテナを伸ばして、市民の皆さまの声に耳を傾けなければならないと考えています。

  • 気仙沼市総務部危機管理課 課長補佐兼防災情報係長 高橋義宏様

   
  • 関連動画

  • システム構成図

  • 主な納入機器
    ソリューション

  • 市役所
    ・無線LAN機器 Firetide7020 1台
    ・リチウムイオン蓄電システム LJ-SA32A5K 1台
    ・サーバ類 WEBサーバ、サイネージサーバ(Nmstage)
    ・潮位システム連携サーバ J-ALERT受信機 EA-8001 1台
    ・ネットワークレコーダー DG-ND200 1台
    ・デジタル同報系無線設備、移動系無線設備

    安波山
    ・HIT233 4枚
    ・鉛電池蓄電システム
    ・カメラ DG-SW396 1台
    ・無線LAN機器 Firetide7020 1台

    魚市場
    ・HIT233 4枚
    ・ソーラーサイネージ端末(PDC)
    ・リチウムイオン蓄電システム PID-SPS48(三洋電機)
    ・屋外防塵防水モニタ TH-47LFT30J 1台
    ・カメラ DG-SW316L 1台
    ・無線LAN機器 Firetide7020 1台

    市立病院
    ・サイネージモニタ TH-42LF5J 1台
    ・リチウムイオン蓄電システム LJ-SA32A5K
    ・無線LAN機器 Firetide7020 1台